この記事を読んで少しだけ人生を変えるのに必要な時間は約 9 分です。
やった!念願のタイ赴任だ。喜び勇んで、やる気に満ちている人も多いでしょう。
海外赴任にとって、タイは最高の国です。
でも、気をつけてください。もしあなたが駐在期間を終えて帰国したとき赴任前と全く変わらない能力のままだったら…。
ということで今回の記事は、現役駐在員であるわたしが海外赴任、特にタイ赴任中に駐在員が勉強しておくべきこと9選。
それと海外でどうやって勉強すればよいのかをお届けいたします。
この記事を参考にしてもらえれば、あなたが帰国したとき、きっと上司はあなたのを見違えることでしょう。
帰国後に見違えるために赴任中に学ぶべきテーマ
今回、ご紹介する内容はあなたの帰国後に発揮される能力と同時に、赴任中の職場で実践することを目的に選んでいます。
ポイントは次の3つです。
- 職責を広げるための知識
- 生産性をあげてチームを引っ張る能力
- マネージャーとしても通じるコミュニケーション力
現役駐在員が教える|なぜいまが勉強しどきなのか
例え赴任先がタイという比較的住みやすい地域でも、海外に出ることはそれなりにストレスがかかるものです。
でもあえてそんな環境にありながら、勉強するべきだというのはなぜでしょうか。
理由は次の通りです
- 赴任中は時間の使い方が変わる
- 職位が上がる
- 学びを試せる環境ができる
赴任中は時間の使い方が変わる
赴任すると感じるのは、時間の使い方が自由になるということです。
日本からの横槍はいつものことですが、仕事をどうすすめるか駐在員には割と大きな権限が与えられています。
当然あなたの勤務時間をも、日本にいる頃より自由になります。
それに、タイではドライバー付きで車通勤に変わることも多く、通勤時間中は絶好の学習時間です。
勉強のための時間は、自分の工夫次第で日本の頃より随分楽に作れるということです。
職位が上がる
基本的に、駐在になると日本にいた頃の職位より1、2つ上がることが常です。ということは、当然責任の範囲も広がるわけです。
これまで、いちエンジニアだと思っていたのにマネージャーになって採算を検討したり、営業課長が事業所長になっていきなり人事労務も任されたり。
つまり、実務で知っておくべきことが急に増えるのです。これは勉強しないと完全に駄目なマネージャーの烙印を押されかねません。
学びを試せる環境ができる
上記の通り、職責が上がるということは自分の裁量で色々と試せるチャンスも増えるということです。
日本では本社の決めたルールでがんじがらめでも、現地法人は治外法権です。あなたが学んだことを、どんどん試してみる事ができます。
もしうまく行かなかったら、自分の責任で取り下げてしまえばいいし、うまく行ったことなら直近の成果にすればいい。それを帰国したときに逆輸入して、更に2番煎じで成果を上げることもできます。
良いと思いませんか?
現役駐在員のおすすめ|いま学ぶべきテーマ9選
さて、では具体的にどのようなことを学べばよいでしょうか。
現役のわたしが、これからタイに赴任する人に向けておすすめする学ぶべきこと9選は次の通りです。
- 英語
- 現地語(タイ語)
- プログラミング
- 統計学
- 会計(財務会計と管理会計)
- マーケティング
- コーチング
- チームビルディング
- 歴史・リベラルアーツ
- 番外:ゴルフ
では順に見ていきます。
【1】英語
非英語圏のタイですが、案外英語を話すチャンスがたくさんあります。
タイの英語力は平均すると日本と大差ないという調査結果もあるようですが、我々駐在員が接するタイ人はしっかりした英語を話す人も多いです。
バンコクやパタヤでは、欧米人も多く住んでいます。オシャレなカフェの店員さんなんか、結構きれいな英語を話すなあと感心します。
取引先は、日系企業ばかりではありませんから外資に勤めるタイ人との英語の会話もたくさんあります。
互いに英語ネイティブではない者同士ですから、心理的な障壁も低く英会話が実践できるのも良いです。
タイ帰りなら帰国後の英語力は期待されていないはずですが、そこは期待を裏切ることをおすすめします。
是非しっかりした英語を身に着けましょう。
学習には、オンライン英会話がおすすめです。通勤中でも、自宅からでも比較的自由な時間に参加できるのは良いですね。
【2】現地語(タイ語)
タイに赴任するなら、日常会話程度のタイ語はぜひ覚えて帰りましょう。
もし奥様もご一緒に赴任されるのなら、ご夫婦共通のことを学ぶのは夫婦仲をよく保つためにも有益です。
タイ語は本当に馴染みのない言語です。声調のない日本語話者にとっては完璧に話すことは難しいです。
それだけにタイ語を多少話せるなら、帰国後はタイといえば〇〇さん。というように、あなたにとっての一つのキャラとして大いに役立ちます。
時間的なコミットが必要ですが、バンコク在住ならチュラロンコン大学のタイ語コースは本気でタイ語を学ぶ方にはかなり実践的なコースです。
【3】プログラミング
非エンジニアの方でも、これからはプログラミングスキルがあるとないでは雲泥の差が生じることは間違いないです。
業務で自分がコードを書くことは多くはないとしても、プログラミングって一体どういうこと?というくらいの知識は得ておく必要があります。
日本にいればスクールで集中的に学ぶという方法もありますが、海外ではそうも行きません。
やはりオンラインで学習が、最適だろうと考えます。
これから学ぶのであれば、AIを作る際によく使われるPythonあたりから始めるのが良いでしょう。
日本のベネッセと資本提携しているUdemyでは数千円からPythonのコースが展開されています。
各動画も1チャプターが数分程度に分けられているので、スキマ時間の活用にはもってこいです。
この他動画による学習について、関連記事:【スキマ時間活用】海外駐在員が動画を使ってガッツリ学ぶ厳選11講座にも詳しく紹介しています
【4】統計学
学生時代にすこしは触れたものの、統計はなんだか中途半端な理解のままという方も多いでしょう。世間ではビッグデータ解析だの機械学習だのといっていますが、すべての基礎は統計学です。
統計学をしっかり理解するには、少々腰を据えて学ぶ時間が必要です。ですがAI時代と言われるこれからは、せめて概念的な理解だけでもしておくべきでしょう。
幸いこれは、書籍による学習が可能です。紙の本の良書を海外で探すのは大変なことですが、Kindleでも良書がたくさん出ています。赴任中でも、オンラインで購入して学習することができます。
Kindle Unlimitedでは無料で読める本もありますから、赴任前の今のうちに是非入会しておくほうがお得です。
ちなみにこちら、Kindle Unlimitedでいま読み放題の対象です
書籍での勉強については、【駐在は遊んでいたら負け】電子書籍 読み放題サービスでスキルを磨くにも詳しく書きましたのでよろしかったら
【5】会計
駐在員になり、職責が上がると経営に関係する判断の一旦を担うことになります。たとえば日本でいちエンジニアだったあなたが、マネージャーとして設備投資のPLへの影響を判断する場面があるかもしれません。
そんなときPLって?ゲンカショウキャク?ってなるわけには行かないのです。
あなたの赴任先が、利益を出せるためにどうしたらよいか会計の知識なしには判断できないはずです。
とはいえ、経理部員になるわけではないので仕訳オタク、数字オタクになる必要はありません。
経営判断ができる、会計のフレームワークを中心に学びましょう。
関連記事:【これでOK】経理部門じゃないビジネスマンのための会計【財務3表】
【6】マーケティング
タイに赴任するかたは、製造業系、エンジニア系の方も多いはずです。
そんなみなさんにとって、マーケティングってなによ?という感じでしょう。
実はあなたの作っている商品、あなたの売っているサービスもマーケティングの結果生み出されているのです。
いかにして顧客を知り、顧客に製品サービスに気づいてもらい、買いたくさせるのかを仕込むのがマーケティングです。
マーケティングについて学び、あなたの会社の戦略について深く理解すると、日本から一歩出てみたいまだからこそ気がつくことがあるはずです。
【7】コーチング
職責が上がるということは、部下を持つということです。
マネージャーとは、組織を動かして成果を出す立場です。これまで日本では、あなた自身が手を動かしていたことを、これからは部下にやってもらう必要があるのです。
そのためには、部下の育成が必要になります。
部下が持っているスキルはどのようなものがあって、これから必要なスキルはなんなのか、ひとりひとりに気づきを得てもらう。そんな作業が必要になるのです。
本来は専門のトレーニングを受けられればよいのですが、海外では望むべくもありません。書籍による学習がおすすめです。
まずはマンガなんかで入るのもOK。
【8】チームビルディング
”チームビルディング”、つまりチームを構築して一つの目的に向かわせる能力のことです。上記のコーチングの能力も必要になります。
日本では、ゲームを通じた研修など若干ふわっとした自己啓発的な文脈で紹介されています。
ですが海外赴任先では、人材は頭数がいるだけでもましな方という状態も少なくありません。
今いるメンバーや外注先を、いかに一つの目的に向かわせるかというのは超現実的な問題です。
こちらもトレーニングなどはなかなか見つかりません。書籍による学習と実践がおすすめです。
【9】歴史・リベラルアーツ
海外に住むと、自国の文化について考えることがよくあります。
それに、これまで日本では付き合いのなかったハイクラスな人たちと交友を持つ場面も出てきます。
彼らの教養のベースには歴史や文化、芸術といったいわゆるリベラルアーツがあります。
観光でタイの寺院や、名所を見て回るときも教養があると身につくものがかなり変わってきます。
日本に居てはあまり馴染みのなかった教養についても、これから赴任するあなたには腰を据えて学ぶ時間は十分にあります。
とっても時間のかかる「お勉強」ですので、せめて今のうちにしてリベラルアーツってなんだろう?くらいのごく入り口付近の興味を持ってみるのもおすすめです。
【番外】ゴルフ
多くを語る必要はないでしょう。
タイ駐在員の必須科目です。
奥様と一緒にゴルフを始めたという方も、少なくないようですよ。
関連記事:【初心者必見】タイ駐在員向けゴルフの始め方 準備から初ラウンドまでの全て
まとめ
伝説の経営コンサルタント、大前研一氏によると人生を変えるには次の3つのことしかないそうです。
曰く
- 時間の配分を変える
- 付き合う人を変える
- 住む場所を変える
まさに海外赴任というのは、人生を変える大きなチャンスなのです。
帰国までの限られた時間この機会を逃さぬよう、しっかりレベルアップしましょう。
応援しています。