この記事を読んで少しだけ人生を変えるのに必要な時間は約 11 分です。
仕事で大失敗してしまった・・・。
朝の通勤電車の中で、重い気分でこの記事を読んでいる。
もしそうなら、私の経験がその気分を追い出していつもの自身を取り戻すお役に立つでしょう。
それどころか、逆転のチャンスすら作るヒントにすることができるかもしれません。
実はわたしには新聞にのるくらいの大失敗をして、本当に会社をクビになりかけた経験があります。
当時のわたしは失敗からくる恐怖と不安から、どん底まで落ち込んだ日々を過ごしました。
結論から言えば、これからお話する6つのことに気がついて「どん底」の気持ちから立ち直る事ができました。
それどころか、この失敗が先々の収入アップのきっかけにすらなったと思っています。
当時のわたしといえば、このどん底の気持から救われるのならワラにもすがる思いでした。
いっそ会社を辞めてしまおうとも考えました。
でもあとから振り返ると、6つのことに気づいた事は失敗を自分の強みに変えるきっかけでした。
当時のわたしには思いもよりませんでしが、いまでは失敗に感謝するほどです。
これから今だから言えるわたしの失敗談を恥を忍んでご紹介します。
ぜひ立ち直るヒントになれたたら嬉しいです。
大丈夫です、失敗を知っている人間は強い。
きっと立ち直って、以前の自信をとりもどせますよ。
仕事のミス 膨らむ不安 でも大丈夫です! あなたは立ち直る!
昔話の前に、わたしが立ち直るきっかけとなった6つの気づきをご紹介します。
立ち直るきっかけとなったポイント
- 恐怖や不安の正体は?どこから来る?答えは自分の中にあった
- 自分が駄目な人間だという運命論的な考えを捨た
- 自分が思うほど他人は自分のことを見ていない
- 失敗をカテにして仕事に活かせばいい
- 仲間が支えてくれている
- 時間が解決することもあると信じて進んだ
いま仕事の失敗に苦しめられているなら、上記のようなポイントをご自身でチェックしてみてください。
スッと楽になれる糸口を見つけられるはずです。
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【実体験】 私のミスで会社が大変なことに
もう10年近く前の話ですが、わたしのサラリーマン人生における最大のミスを犯してしまいました。
当時、わたしの務めていた事業場ではリーマンショックの影響を受けリストラが進められていました。
そんなころ、同僚のひとりが自己都合退職をしました。上司を始め職場全員が、”こんな不景気な時期に?”と予想外でした。
補充はありません。これまでの業務に加え、わたしが彼の業務を引き継いで担当する事になりました。
戦力が減らされているさなか、何かと鼻っ柱の強かったわたしに当時の上司は期待したのだと思います。
その頃のわたしといえば、「あいつが辞めて、忙しくなった」と表向きはブツクサ文句ばかりいっていました。
いっぽう本心では「自分ならやれる。やってみせる」という思いと、ここで実力を見せれば昇進や昇給ができるかもしれないという打算がありました。
ちょうどそのころは他の仕事をいくつか軌道に乗せつつあった時期でしたし、自分の実力に対する慢心があった時期でした。
そしてアクシデントは起きました。
内容は申し上げにくいので伏せますが、私の無理な計画とチェックミスが原因でした。
そのせいで外注先がミスをしてしまい、結果的に私の会社は相当なロスを出すことが一夜にして判明したのでした。
関連記事:【即効】ミスをしたとき手強い上司を味方につける方法【心理テクニック】
【もうだめか】針のむしろのような数ヶ月
そのあとの事業場の雰囲気は最悪でした。
本社からの対策チームが乗り込んできたり、事業場全体での再発防止策をまとめたり。
私をはじめ関係者への事情聴取が連日行われ、普段はめったに姿を見せない取締役が現場に視察に来たり。
とにかく慌ただしく、1ヶ月ほど休めない日々が過ぎました。
それから数ヶ月して、やっとすこしほとぼりが冷めた頃に私と私のチームは処分を受けることになりました。
私は「けん責処分」となりました。
処分は思っていたほど重いものではありませんでしたが、あとで上司から聞かされた話では相当に減免措置が取られたとのことでした。
もし本社の人事からきた審査責任者の心象が悪ければ、わたしたちにはクビでもおかしくない裁定が出ていたそうです。
処分が下り正直少しホッとするところもありましたが、この事業場にいることにとても心が痛みました。
迷惑をかけた関係者へは、とても顔向けできない気持ちでした。
あれほど鼻っ柱が強く自信家だったわたしの姿はどこへやら。
はたから見たら、きっと”借りてきた猫”のようになっていたはずです。
とにかく当時のわたしは、会社は針のむしろだと感じていました。
いままで私と一緒に熱心に仕事をしていた人ほど、わたしに冷たい視線を向けていると感じていました。
それからは何をするにも恐怖が先に立って、すっかり仕事ができない人になってしまいました。
見かねた上司が、私の異動を決めてくれるまで約半年は本当に辛い日々でした。
【そして転勤】ありがたい送別の言葉 でも心は晴れなかった
異動の辞令を受けたあと、当時の事業所長からは
「今回のことは残念だったが、君は現場からもチームからも信頼が厚かった。今でも信頼されている。それだけは覚えておいてほしい。」
と励まされ、申し訳なさと情けなさで涙がこぼれそうになったのを覚えています。
その訓示を受けてから1週間後、逃げるようにわたしは事業場を去りました。
新しい上司は旧知の先輩で、経緯をよく知っているはずなのに何も言わず、暖かく迎え入れてくれました。
おかげで少しは気分が晴れる思いでした。
【病院通いも】生活が奪われる不安、ときどき現れる恐怖
異動先はとにかく忙しく、動いている間は失敗のことを忘れる事ができました。
しかしプライベートの時間になると、また何かのミスがあれば今度こそクビになるのではないかと恐怖が顔をのぞかせました。
当時ちょうど子供が生まれたばかりで、ようやく幸せな暮らしが始まったのに、この暮らしは会社の誰かの掌中にあって簡単に奪われてしまうのではないかと不安が襲ってきました。
胃が痛くて何度か病院にも行きました。
いま思い返すとひどい状態でしたが、ちょうどその頃です。
これから紹介することを自分自身で気がついてからは、少しずつ気持ちがとても楽になっていきました。
【気づき】自分で自分を立ち直らせた自己分析
そんな日々を過ごしているなかで、はたと気がついた事があったのです。
それは 何か正体のわからないもの を恐れたり不安に思っていても、何も解決しないということです。
そこで恐怖や不安の元凶は何なのか、自分なりに分析してみました。
当時の私には
- 他人はミスをした自分をどう思っているか
- ようやく築いた家族の幸せを失うのではないか
- この会社ではもはや私の将来は望めないのではないか
- これから先も同じような失敗を繰り返すのではないかetc・・・
このような思いが、グルグルと頭を巡っていました。そうグルグルと。
不安を感じているときの特徴は、このグルグルにあるような気がしていました。
答えの出ないことに堂々巡りばかりして、脳が疲れてしまっているような状態です。
この状態に陥ると、勝手に私の脳が 不安 を生み出しているのではないかと思ったのです。
その証拠に、忙しくしている間はこのグルグルに陥っている暇がないので不安を覚えることはないのです。
手を止め休んでいる時ふとした瞬間にこのグルグルに陥っては、今やっている仕事にもまた大きなミスが潜んでいるのではという恐怖に捕まってしまうのです。
「不安」は外からやってきているのではない、自分の内側からやってきているのだと言うのは私にとって大発見でした。
関連記事:考えがまとまらない 焦らず問題をシンプルに考えるコツ
【思い込み】自分はダメな人間だから失敗した? ダメな運命論からの脱却
さらに分析してみると、自分の感じる不安や恐怖には前提があることに気がついたのです。
それは、「自分が駄目な人間だから失敗した」という因果関係です。ある種の運命論と言っても良いかもしれません。
自分が駄目な人間である以上、いくら頑張っても失敗から逃れることはできない。
だからいずれまたとんでもないミスを繰り返す。
ミスを繰り返す自分はいずれクビにされる。そういう思考がベースにあるように感じたのです。
これは後講釈になりますが、この状態はアドラー心理学で言うところの「劣等コンプレックス」ではないかと思います。
私自身でこれに気がついて、後年アドラー心理学に出会ったとき非常に腑に落ちた覚えがあります。
この「ダメな自分論」を打破するために、自分がダメな人間だということは一旦甘んじて受け入れたとして、ではどこが具体的にダメなのか?を突き詰めてみました。
そして具体的に、自分の仕事の仕方にいくつかの課題を見つけたのでした。
ひとつは、構想や準備の段階で楽観的に考えすぎること。そして、行動の段階では自分の決断にこだわりすぎること。私は自分の行動にこのような特徴があることに気づき、これがミスを起こす最大の原因だと確信しました。
そうと分かればあとは簡単、先輩や仕事のパートナーに率直な意見を求めることを心がけるようにしました。そして、忠告は素直に受け考え直したりプランを追加したりすることを躊躇しなくなりました。
もしミスを発見しても、影響が小さいうちに上司に謝り修正を図ることも怠りませんでした。
自分がダメだからミスは回避できないということはなく、周りのお知恵を拝借することで随分とそのリスクを小さくできることに気がついたのです。
【発見】他人は自分が思っているほど自分のことを見てはいない
もう一つ気がついたことがありました。それは、他人は自分のことを自分が思うほど見てはいないということです。
失敗を経験して以降、とにかく私は自分がどう見られているかが気になって仕方がありませんでした。
異動した新しい事業場でも、誰かが私のことを噂しているような気がしていたのです。
私の会社では、不祥事が起きた際の処分が下るとイントラネットに公報として事案のあらましが掲示される仕組みがあります。
私の処分が下ったあと、私の件も個人が特定されないよう氏名や事業場、処分理由の詳細を伏せた情報が掲示されました。
このことが、すごく心に引っかかっていたのです。みんな私が札付きだと思っているのではないかと。
しかしこの公報、実は会社の方針で不祥事の抑止のために大なり小なり割と頻繁に掲示されているのです。
それを見るたびに、「へぇ〜」とか「なんか気の毒だな」とか「自業自得だな」とかお昼のワイドショー的な反応こそあっても、これが一体誰のことなのか?とか、事件の真相を根掘り葉掘り調べるような暇な人はいないのです。
自分自身もこの公報をよく目にしますが、全く他人事ですし自分の知っている誰かの事じゃないかとか考えたこともありません。
完全に被害妄想的に、自分が噂の的だと勝手に思っていたことに気がついたのでした。
私の事案は再発防止事例として社内で共有された事もあって、事案自体を知っている人はたくさんいます。
当時は時々そのことを話題にされることもあったのですが、よくよく考えると私が当事者だと知っていたら私がいる前でそんな話題は出さないはずです。
実際に大きな出来事ではありましたが、社内のほとんどの人にとっては全くの他人事だったのです。
【割り切り】失敗は糧になる
私は今でもその会社にいます。
大きな失敗をした割には、昇進も平均的な時期にできました。当然年収だって上がりました。
もうこの会社で私の将来はないとまで思っていましたが、まるでそんな事はありませんでした。
むしろこの失敗は、私を成長させる原動力になったと今になって振り返っています。
人より失敗に対する感度が上がった
事件の後、失敗することの恐ろしさからとても臆病になっていた時期がありました。
ですが冷静さを取り戻したいま、随分と失敗に対する感度が上がり事前にそれが察知できるようになっています。
それと、失敗したときの最大のリスクを想定するということを心がけ腹をくくるという思考ができるようになりました。
実はこれができると、臆病になって行動できないということが防げて勝負をかけるべきときは勝負をするというメンタリティが生まれるのです。
仲間の存在
失敗して私に冷たい視線を送っていると思った、以前の職場の仲間たち。後々聞いてみると、実は誰ひとりそんな気持ちで私を見ているわけではありませんでした。
うわっつらの言葉なんてかけず、私が立ち直るのをじっと待っていたというのです。
当時はトラブル処理でみんな忙しかったというのもあって、少し気が立っている人もいましたから言葉尻がきつい事はあったと思います。
それも依然として私が仲間として見てもらえていたからこそ、みんな私を叱咤激励してくれていたのでした。
異動のときは送別会だって開いてくれていたのに、逃げるように異動した自分が恥ずかしくなります。
今になってみると、こういう仲間がいてくれたことにとても感謝していますし、そういう仲間を作れた自分自身も誇らしく思えます。
【確信】つらい日々は必ず終わる
いま毎日つらい思いをしている人。大丈夫、こんな日々は必ず終わりが来ます。
そしてあなたは自信を取り戻し、以前にもまして良い仕事ができます。
失敗した事実は消せませんが、そのことがあなたを成長させていることも事実です。
成長したあなたは、不安や恐怖を乗り越える力があります。
不安は自分の中から生まれます。自分で生み出した不安なら、自分で打ち消すことができます。
前を向いて進んでみましょう。きっと答えが見つかります。
ただし、どうしても居づらさから逃れられない思うなら思い切って心機一転、転職もありだと思います。
私の場合は、異動が転機となりましたがもし以前の職場に長くいなければならなかったら結果は変わっていたかもしれません。
長文となりましたが、わたしの経験が少しでもみなさんの助けになることを願っています。
ちなみに私はまだその時の会社にいます。そして当時より出世しています。
失敗から立ち直ったあと、どうやって逆転して昇進のみちを開いたかはこちらの記事に書いています。
どうか参考にして、復活そして逆転への道筋を立ててくださいね。