この記事を読んで少しだけ人生を変えるのに必要な時間は約 7 分です。
みなさんにとって上司とは、どういう存在ですか?
いまの上司って、どんな方でしょうか。優しい? 親切?、意地悪?、厳しい?
概ね上司とは、自分に仕事を命じてくる、どうにも近寄りがたくてその上仕事の上ではかなわない厄介な相手ではないでしょうか。
そんな上司が、すっかり自分の味方についてくれる。
とんでもないミスでも、最後には許すどころかフォローしてあまつさえ助けてくれる存在になったらどうでしょうか。
今回は、あなたがミスをしちゃったとき苦手で手強い上司も味方にして円満に解決する方法をご紹介します。
この方法を身につければ、あなたはミスを恐れないビジネスパーソンへ変身することもできるでしょう。
この記事の要約
- 上司の心を一貫性の原理でコントロールする
- コツを押さえて、まずはきちんと謝る
- 相手の心を揺さぶるため奥義は会議室と共通の敵
あなたの上司の感情を一貫性の原理でコントロール
まずはじめに種明かしをすると、このテクニックは一貫性の原理という心理テクニックを活用します。
一貫性の原理とは簡単に言うと、ひとは一度自分のやったことを一貫していたいと無意識に考える心理のことです。
たとえば、簡単な例を上げると
- 自己紹介で赤が好きだと誰かに言った日から、なんとなく赤が入った服を着てしまう。(赤好きのキャラを続けたくなる。)
- コミックスの1巻を買ったら、全部買わないと気がすまない。
と言うようなものです。
どうやれば上司がミスをした自分の味方になるのか?
さて一貫性の原理とは何か踏まえた上で、次の3つのことを実施することでミスをしてしまったにもかかわらず上司を味方につけることができます。
- まず素直に謝る
- 上司に「わかった」を言わせる
- 共通の敵をつくる
早速、具体的に説明して参ります。
ミスは早めに謝ってしまえ
まずは、素直に謝ることです。
それができたら苦労はせんわ!
まあそうお思いでしょうけど、ちょっと聞いてください。
まずはきちんと謝る
ミスをしたんですから、そりゃいつまでも謝らないわけには行きませんよね。
上司の怒る顔やら、残念がる悲しげな顔なんかが浮かぶでしょうけど。
社内でのけじめを付け事態をこれ以上悪化させないため、きっちり謝る必要があります。
ただし謝り方には、大切なコツがあります。
具体的なポイントは
- 上司へは会議室などの別室で
- 言い訳を先行させず、まず謝罪「ミスをしました、すみませんでした」
- 言い訳にならないよう端的に事実関係を伝える
- そしてもう一度謝る
人によっては大目玉を食らうかもしれないけど、心配無用です。
上司の大目玉というのは、これからもあなたを大事な部下として扱うという前提でのことです。
上司の口から「わかった」を取り付ける
とはいえ、上司から怒られるのは決して気分のいいものではないですね。
そんなあなたには、上司を味方につける奥義を授けます。
ここから一貫性の原理の出番です。
謝罪の場所はデスクから離れた会議室で
先程のポイントで謝罪と説明をするために、会議室などの別室を使うと述べました。
別室を使う理由は周りに内容を聞かれたくないということや、説明するのに静かな場所が良いということがあります。
ただポイントは、それだけではないのです。
次のやり取りのなかに、上司を味方につける奥義が隠されています。
では、どんなやり取りをすればよいか
まずは、謝罪のために会議室に誘い出すところから。
デスクにて
あなた:「課長、お忙しいところすみません。ちょっとお話がありまして、お時間いただけますか?」
課長:「ん?いいけど。」
あなた:「では、2階の会議室までお願いします」
課長:「?、 あぁ、わかった」
それから、謝罪と事情の説明です。
会議室にて
あなた:「お時間取らせてすみません。」
課長:「ああ、大丈夫。」「だけど、どうかしたの?」
あなた:「申し訳ありません。実は、〇〇プロジェクト件でミスをしまして…」
課長:「え?どういうこと、もう少し詳しく聞かせてよ」
あなた:「はい、〇〇プロジェクトの取引先、X工業のAさんはご存知ですよね?」
課長:「ああ、知ってるよ」
あなた:「実は、Aさんのご依頼の件で…」
以下、端的に事態を説明
このとき、色々と聞かれたり叱責を受けることもあるでしょうが素直に対応しましょう。下手な言い訳は、厳禁です。
締めくくり
あなた:「課長、本当にすみません。実は、まだ先方はかなりご立腹の様子なんです。申し訳ありませんが、謝罪にお付き合いいだだけないでしょうか。」
課長:「仕方ない、わかったよ。じゃあ先方へのご説明資料、明日までに作って」
というような流れです。
ポイントがなにかおわかりでしょうか。
上司の心の一貫性
このやり取りのどこが奥義なのか説明しましょう。
まずは上司の言葉に注目してみます。
上司は、「わかった」「いいよ」の連発で、何となくあなたを許したような言葉を使っていますね。
会議室に誘う、説明始める、相手先への謝罪に同行をお願いするという流れの中で
さり気なく上司に「わかった」とか「いいよ」といようなYesの回答を繰り返し言ってもらっているのです。
あなたの謝罪の言葉にYesと言ってるわけではありませんが、会話の流れでYesと言ってもらいます。
そうすることで、無意識に上司の心の中ではあなたの意見に合意する勢いがついていきます。
そして最後は、一緒に謝りに行くという決断にYesを言わせます。
あなたは会話の中で、いちども「許してほしい」と言わなくてもいいのです。
上司自身は自分が許すというようなメッセージ送った以上は、彼の心のなかでは許すという決定に一貫性の原理が働きます。
つまり上司としては釈然としないままでも、なんとなくあなたは許されてしまうのです。
会議室まで呼び出す効果
あえて人目を避けて、会議室で謝罪をするようにした理由は実はもう一つあります。
会議室に移動する最中、上司の頭の中はあなたからどんな相談が出てくるのか内心ドキドキしながら思い当たる事をぐるぐると考えます。
「このまえのミーティングで励ましたつもりで、言葉がきつ過ぎたか?」
「仕事が立て込んでるみたいだけど、もしかして辞表を出されるんじゃないだろうか?」
上司にとって、部下がやめてしまうのはけっこう辛いものです。
最悪の事態を考えながら、会議室へ向かっています。
そんな中、あなたからは仕事のミスについての謝罪。
上司としては、実はホッとするはずです。
ミスは残念ですが部下がミスを謝罪してくるということは、会社に残ることを前提に事態を収拾したいということなのですから。とりあえず、この謝罪は前向きなことなのです。
共通の敵の敵を作ると上司は味方になる
そして、最後の一言が最終奥義「共通の敵」です。
ミスをした取引先へ上司と一緒に謝りに行くというシチュエーションを作ることで、あなたと上司という対立軸が消えてしまいます。
そして、あなたの会社と先方の会社という対立軸になるのです。
もちろん、取引先は「敵」ではありませんが、この場合2人一緒に立ち向かう相手、壁という意味です。
もし取引先とのミスではないなら、たとえば部長や役員などの上司の上司への報告を「共通の敵」にするというものも使えます。
この手は、報告相手がどこまで行っても使えるんです。
たとえ相手が社長でも、共通の敵をつくって味方にできます。
まとめ
仕事の上で、ミスや失敗はつきものです。
失敗を恐れてチャレンジできないのは、非常にもったいない。
チャレンジの末の失敗なら、前向きに捉えて明日のカテにできます。
それからこのテクニックは、自分でどんどん物事を決めていける上司ほど効きます。いわゆる、できる上司というひとたちです。
彼らは自分の意思決定を、とても尊重します。自分の意思決定に責任を持つメンタリティーがあるからです。
そういう上司は、どんどん活用しましょう。
きっとチャレンジを続けるあなたを、とても可愛がってくれるはずです。