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たったひとりで完結できる仕事など、分業を基本としている現在の企業のなかではありえませんよね。
つまり企業の中では互いに頼り頼られて、互いの成果を出す必要があるわけです。
とはいえ成績評価は個人別なわけですから、他人の仕事よりも自分の仕事、他部署の仕事よりも自部署の仕事が優先されるのが自然なこと。
そうなると、ある種の権限をつかって人を動かす必要があります。
では大きな成果を上げることができるのは、高い職位でたくさんの専門家たちを束ねられるひとだけ?
いえ、そんなことはありません。
人事権など持たない平社員といえど、多くの協力者を持っていてバリバリと成果を出すリーダーたちを私は何人も知っています。
そんなリーダーたちが使っている、人を動かすテクニックがもしあれば知りたいと思いませんか?
・・・実はあります。
今回は、できるリーダーたちが使っている「他人を動かし味方につける6つの法則」についてご紹介します。
他人を味方にして仕事を楽にする影響力モデルの6つの法則
早速ですが、人を動かすためには実は6つの法則があるのです。
この6つの法則は、組織内コミュニケーションのバイブルといわれる名著『影響力の法則』に記されている「影響力モデル」といいます。
スタンフォード大学経営大学院で組織行動学を教えるデビッドLブラッドフォード博士とリーダーシップが専門のコンサルタント、アラン・コーエン氏の共著『影響力の法則』には、他にも豊富なコミュニケーションについての示唆が記されていますがその根幹は次の6つの法則なのです。
影響力の法則―現代組織を生き抜くバイブル
【法則1】 味方になると考える
協力してもらいたい相手が誰であれ、たとえそれが嫌いな人であっても味方にできると「考える」。
大事なことは、相手が味方になってくれると主体的に「考える」ということです。
ポイント
- 相手のことを否定的に考えない
【法則2】目標を明確にする
自分の目標が何なのか、はっきりと意識することです。
そして自分の目標を達成するための行動に注力するのです。
例えば誰かに協力をお願いするとして、そこで自分の正しさを証明する必要などありません。
「これこれこういうことで私の意見はあなたの意見より正しいのだから、あなたは私の意見に従うべき」というような考えは無用ということです。
なぜなら、協力を承諾してもらい仕事の成果を得ることが本来の目的ですからここで議論の勝ち負けにこだわるなど時間の無駄。
自分の目標を明確にすることで、無用な時間を費やさないようにしましょう。
ポイント
- 自分が何をしてほしいのか明確か?
- 感情が優先して目的をおろそかにしていないか?
【法則3】相手の世界を理解する
同じ会社に務めるひと同士だとしても、立場やそれまでの経験などからくる価値観はそれぞれの人にあるはずです。
たとえば、とっても慎重な性格の人はこちらのイケイケドンドンのお願いには危うさを感じて二の足を踏むかもしれません。
部長と平社員では、期待する成果のおおきさが違うかもしれません。
相手が何を重視しているか、相手のニーズや心配事は何なのか理解することです。
ポイント
- 相手の立場や望んでいる成果はなにか?
- 相手にとって重要なことは?
- 相手が望まないことや心配事は?
【法則4】カレンシーを見つける
カレンシーとは「通貨」という意味です。
要するに、「相手にとって価値のあるもの」のたとえです。
通貨のように、こちらから与えられる相手にとって価値のある「何か」を持っていないか考えてみましょう。
ポイント
- 相手は自分とは違う価値を重視している
- 相手は何のために動いてくれる?
- 相手が価値をおくものを知りそれを認める
【法則5】関係に配慮する
相手は感情を持つ人間ですし、機械ではありませんからこちらとの関係性によって反応は大きく変わるものです。
こちらと相手はどんな関係か、過去の関係なども含めて考えます。
こちらから、どういうアプローチをするのを相手が好むか考えます。
ポイント
- 相手を操作しようと思っていないか?
- あくまでも人間関係がベース
【法則6】目的を見失わない
どんなやり方をしようと、最終的にこちらの目的を外さないことが大切です。
方法よりも、目的と言っても良いでしょう。
こちらの目的を見失わないで、相手との取引をします。
ポイント
- 相手の取引のやり方をしっかり決めておく
- 相手はボランティアではない
協力者を増やすには相手に対するリスペクトが大事
さて、ひとに動いてもらうための6つの法則をご紹介しました。
お気づきかと思いますが、この法則は相手のことを認めリスペクトすることがベースになっています。
そのうえで、自分の与えられる相手と交換できる価値を見つけるのです。
権限を持っていないリーダーが人を動かす技術
人事権などもたない若手のビジネスパーソンにとって、人に協力を仰ぐのはかなり骨の折れることです。
先輩後輩の間柄ならまだしも、他部門や社外のひとなどはなおのことですね。
そんなリーダーたちが成果を出そうとすれば、人を動かすための技術はとっても必須のスキルと言っても良いでしょう。
まとめ
今回ご紹介した、6つの法則は次の通りでした。
影響力モデル6つの法則
- 味方になると考える
- 目標を明確にする
- 相手の世界を理解する
- カレンシーを見つける
- 関係に配慮する
- 目的を見失わない
相手をリスペクトし、相手とともに自分も成果を出せることは組織で働く者にとってはこの上ない喜びではないでしょうか。
是非お試しください。