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あなたは毎日全力で働いているにもかかわらず、上司に不機嫌に怒られたりトラブルの報告に逆ギレされたりしていませんか?
こういう状況ってほんとうにツラいですし、ストレスたまりますよね。
「仕事ってそういうものだし、仕方ないんじゃないの?」
とあきらめていませんか?
もしもあるとことにきがつけば、ちょっとした工夫でこのストレスから脱することができるとしたらどうでしょうか?
今回は明日からでも使える、「上司についてのストレスをへらすシンプルな方法」をご紹介します。
どこにでもいる逆ギレする人間の小さい上司
上司って少なからず人の仕事のやり方に注文を付けたり、ときにはしかったりする立場です。
とはいえ、どうしてこんなケチな人間が人の上に立つ仕事をしているのだろうか?と思いたくなる器の小さい人もいますね。
部下は上司を選べないわけですし、どうしようもないとあきらめたくなる気持ちもわかります。
ですが、どんな上司にも使える次の方法を理解すればきっと解決方法が見つかります。
逆ギレ上司にガマンしなくて良くなる理論
臨床心理学者のアルバート・エリスによると、人間にはなんの根拠もない思い込みを持つクセがあるというのです。
このクセは「非合理的な信念」とよばれます。
ひとの行動によけいに期待しておいて、満足できないと勝手にがっかりしてしまう傾向もこれに含まれます。
例えばひとに対して「〇〇すべきだ」とか、「〇〇すべきでない」と言うのような期待をしてそれが満たされないとがっかりするということです。
ストレスの原因をあぶり出す
「非合理的な信念」による上司の逆ギレは次のような流れで発生します。
- 上司の思い込みと部下の言動や現実にギャップが生じるようになる
- ギャップにストレスを感じる
- ストレスはやがて怒りに転化する
- 上司の場合、部下に対する容赦のない叱責や逆ギレを起こす
アルバート・エリスはこのような現象を、Activating event(出来事)がBelief(固定概念)を通じてConsequence(結果)を引き起こす、「ABC理論」と表現しました。
上司と部下の非合理的な信念
上司が部下に対して「もっと頻繁に報告すべき」とか「上司の意見を真摯に聞くべき」とか言うのは、上司の「非合理的な信念」です。
注意する点として、この「非合理的な信念」は逆ギレ上司にもありますが、部下の方にもあるはずです。
例えば「上司は部下の仕事をくまなく知っておくべき」とか「上司はすべての部下以上に業務に詳しくあるべき」とか。
部下が上司にストレスを感じるとしたら、このような信念を通じて上司との関係を見ていることが原因の一端とも考えられます。
いずれそのストレスは、部下の感情を刺激します。
そして上司との人間関係を思いつめたり、部下の方が上司に逆ギレしたりすることになりかねません。
大原則、他人と過去は変えられない
ではどうすればよいのか?
具体的なやり方をご紹介する前に、大事なことを一つ。
「他人と過去は変えられない」
という大原則です。
つまり今回の状況の場合は、どうやっても上司の性格や考え方を変えてもらうことはできないということです。
ではどうするのか?
答えは、こちらが考え方を変えれば良い。
なんだか身も蓋もないように感じられますけど、こちらの考え方が変わることによって上司に対する行動が変わり相手の行動も変わってくるものです。
自分が変わるというのが、実は遠回りのようで一番シンプルで確実な方法なのです。
上司へのストレスを5ステップで減らす方法
さてここからが、上司に対するストレスをへらすシンプルな方法のご紹介です。
主なポイントは
ポイント
- 自身の「非合理的な信念」に気が付く
- その信念を捨てて行動を変える
です。
そのための具体的なステップは次の5つです。
- その人から言われそうな最悪の反応をできるだけリアルに予想する
- 逆に、その人から言われたい理想の反応をできるだけリアルに予想します
- 2つの反応を比較して、どちらが現実に起きそうかを考える
(この2つの反応がより離れているほど、「非合理的な信念」にとらわれています。) - この反応の差はどこから来るのか突き詰めて考える
- 4の原因に対策を考え行動に移す
事例 えこひいき部長へのストレスをへらせ!
例えば、次のようなケースを考えてみましょう。
あなた(A君)の上司であるB部長は他部門から鳴り物入りで移ってきたやり手です。
そのB部長は昔から知っている部下にはえこひいきするが、今の部署の生え抜きの部下にはなかなか正当な評価をしてくれないことで有名です。
あなたはいま、あるプロジェクトのリーダーを任さていてスケジュールもそろそろ中間地点を過ぎた頃です。
進捗が予想より少し遅くまだ具体的な成果は出せていいませんが、自分の経験ではこれくらいの遅延はあり得ること。信頼している先輩も、そう言ってくれています。
かなり良い兆候も見えてきているから、このまま行ければ最終的にはまずまずの成果が出せそうだと確信を持っています。
あなたは「以前の中間報告は課長までだったから、そろそろ部長へも報告しないとな」と考えていたとしましょう。
そこでB部長の反応を予測してみましょう。
1.最悪の反応を予想します。
あくまで予想ですが、できるだけリアルに考えます。
「A君、そろそろプロジェクト期日も後半に入っているけど、まだ成果が出てないっていうじゃないか!
中間報告も腑に落ちないところがあったが、ここまで成果が報告できないなんて何かごまかしていることがあるんじゃないのか?」
ずいぶんいやな反応をもらいました。
こっちもカッとなってしまいそうですね。
まあ、あくまで最悪な反応を予測したまでですからこれくらいはあるとしましょう。
2.理想的な反応を予測してみます。
「A君、プロジェクトリーダーご苦労さま。中間報告はC課長から聞いたよ。少し苦労しているみたいだけどまだ時間はある。落ち着いてしっかりやってくれよ。期待しているよ。」
どうにも、歯が浮きそうですがこれも予想です。
3.最悪と理想の反応を比べてどちらが現実になりそうか考える
2つの反応はかなりかけ離れているように思えますので、あなたにはB部長に対して「非合理的な信念」がありそうです。
それに部長の評判から考えて、どちらかといえば最悪の反応に近いが返ってくるのではないかと考えられます。
4.反応の差はどこからやってくるのか?
では一体、あなた(A君)にはどのような「非合理的な信念」があるのでしょうか考えてみましょう。
もう一度繰り返しますが、「非合理的な信念」とは相手への過剰な期待や「〇〇すべき」というようなあなたの思い込みです。
- 「B部長は部門のトップなのだから、自部門の仕事について深い理解と先見性がなければいけない」
- 「末端のメンバーならともかく、プロジェクトリーダークラスの仕事くらいは報告がなくとも見えていないといけない」
- 「自分は懸命にチームに貢献する働きをしているから、いま成果が出なくても評価されるはず」
といった思い込みがあると分析できそうですね。
5.不合理的な信念への対処方法
このままでは、自分の信念とB部長の反応のギャップにストレスを生じると予測できそうです。
ではどうするか?
この信念を逆に考えてみましょう。
- 「部長は他部門から移ってきたばかりで、自部門の仕事のやり方をまだ理解できていない」
- 「報告がなければ、例えプロジェクトリーダークラスでも評価されない」
というように考えられそうです。つまり
- 部長に対してもっと頻繁かつ平易な表現で報告する
- 今後の予測など専門家としての見通しを伝える
というようにあなたの行動を変えることができそうですね。
どうでしょうか。
このような報告を貰えれば、もともと門外漢のB部長も少しは態度が変わってきそうじゃないでしょうか。
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まとめ
自分の意識を変えて、行動を変えればストレスは自然と消すことが出来ます。
そのためには「非合理的な信念」に気が付くことです。
そして上司の「非合理的な信念」にギャップを生じさせずに、怒りの感情を起こさせることを回避できるのです。
この方法は上司に限らず、お客様やあなたのパートナー、恋人に対しても使えるテクニックです。
職場やご家庭で自分の「非合理的な信念」に気づき、ストレスを減らしましょう。
きっと楽しい生活が、続けられますよ。