この記事を読んで少しだけ人生を変えるのに必要な時間は約 7 分です。
はじめはもっと余裕があると思ったのに、気がつくと期限ギリギリまで仕事が終わらない。
今年は昇給したから、貯金もできるはずと思ったのに全くできていない。
もしこんなこと感じた経験があるなら、それは「パーキンソンの法則」にとらわれてしまっているかもしれませんよ。
パーキンソンの法則にとらわれてしまうと、本人たちは精一杯やっているようでいてその割に成果が出ないという恐ろしい状態になってしまいます。
リモートワークで、通勤時間がなくなって時間に余裕もあるはずなのになんだか仕事がはかどっていないなんてかたも多いのではないでしょうか。
ひょっとしたらパーキンソンの法則にとらわれてしまっているかもしれません。
そんな恐ろしい法則ですが、そこから逃れるための対策があったら知りたくありませんか?
この記事では、仕事の場面でパーキンソンの法則から脱出してしっかり成果を出すための方法についてご紹介します。
この方法は、わたしが大企業の管理職として働きながら他人に時間を奪われないために実践していることです。
みなさんもご自身の大切な時間を守るために、参考にしてもらえたら嬉しいです。
お急ぎの方へ
パーキンソンの法則に対抗するポイント
- 時間を予算(枠)を小分けにする
- なにが成果に寄与するか考える
- 期限の前半のうちに成果を出す工夫をする
できるだけわかりやすい解説 |パーキンソンの法則とは?
「パーキンソンの法則」とは、イギリスの政治学者で歴史学者のC.N.パーキンソンが、その著書『パーキンソンの法則:進歩の追求』のなかで発表した法則です。
なかでも次の2つの法則が有名です。
パーキンソンの法則
- 第1法則:仕事の量は、完成のために与えられた時間すべてを満たすまで膨張する
- 第2法則:支出の額は、収入の額に達するまで膨張する
『パーキンソンの法則:進歩の追求』より
なんか難しい言い回しですけど、要は ”与えられたものはその成果によらず全部使われてしまう” ということですね。
パーキンソンは、イギリスの官僚機構の研究をしていました。
その中で、役人どうし互いに仕事を増やし合っている様子や、どんなに財政が厳しくとも予算財源を使い切ってしまう様子からこの法則を導いたのです。
そう言われればわたしたちの身の回りにも、大きな組織ほどパーキンソンの法則がよく見られますね。
また、わたしたちの日常生活を振り返ってみると
- ハードディスクの容量が大きくなるとデータも増える
- 物置の大きさいっぱいまで持ち物が増える
というのも、パーキンソンの法則の事例です。なんだかとても身近で法則が発動している気がしませんか。
パーキンソンの法則に個人で対策できるのか?
パーキンソンの法則を表現するのに、 ”仕事の量は、器の大きさで決まる” という言い方をする場合もあります。
器とは、予算や納期や人員の数というような仕事をするための枠組みのイメージです。
言い換えると、器に比例して仕事の量が多くても大きな成果が出せるわけではないのです。
先程の例のようにハードディスクや物置程度ならば良いのですが、これが仕事となると知らずしらずにわたしたちの時間や予算を組織だって無益なことに費やしていることになります。
これはリーダーや経営者といったひとを率いる立場でなくても、わたしたち個人としても由々しきことです。
では個人でこの恐ろしい法則に対抗することはできなのでしょうか?
結論、できます。
パーキンソンの法則 傾向と対策
パーキンソンの法則が発動する原因としては、次のような状況が考えられます。
- リソース(時間や予算)に余裕がある
- 本質的な成果に注力していない
- リソースを消費することに痛みを伴わない
つまりは、「所詮は会社のお金や時間だ」というような他人事感です。
このような組織の中にいて、なんの対抗策も持っていなかったらわたしたちの時間は奪われ放題です。
上記の状況を踏まえると、パーキンソンの法則に対する具体的な対策として、次のようなポイントが考えられます。
対策のポイント
- 時間を予算(枠)を小分けにする
- なにが成果に寄与するか考える
- 期限の前半のうちに成果を出す工夫をする
それでは仕事の場面を想定して、それぞれの法則の傾向と対策をやってみましょう。
パーキンソンの第1法則への対策
第1法則は「仕事の量は、完成のために与えられた時間すべてを満たすまで膨張する」です。
”時間を奪われる”の代表格は「会議」ですね。
議論もすっかり済んでいるのに、いつまでもダラダラと終了予定時間まで続けたり。
逆に、一つの議題が紛糾して、残りの議題は次回へ持ち越しになったり。
どちらの場合も、何かを決めるための時間の効率がとっても悪い。
会議を主催するときは、次のような工夫をするとパーキンソンの法則を回避できてみんなの時間をセーブできるでしょう。
- 何を決めるのか事前にはっきりさせる(案内に書く、冒頭に説明する、バーチャル背景に「決めること」を書き出しておく)
- タイムテーブルを作り議題ごとに時間割を明示しておく
- 優先度の高い議題は前半に置く
- 議題が尽きたら時間前でも終了すると事前に通知しておく
ちょっとした工夫ですが、決定事項ひとつあたりにかける時間を最短にする努力を見せることです。
パーキンソンの第2法則への対策
第2法則は「支出の額は、収入の額に達するまで膨張する」です。
仕事の場合なら、支出は予算と読み替えても良いでしょう。
「予算は全部使われてしまう。」
そのように読み替えると、もしあなたが予算を預かる立場や経営者ならたまったものではないですね。
対策のポイントを踏まえると
- 予算枠をあらかじめ細分化しておく(袋わけ家計管理の要領)
- 投資採算の基準を決めておく(回収年を何年とするか?)
- 投資の撤退条件を決めておく
会社のお金に関することは、権限のあるひとでないとコントロールするのが難しい面もあります。
もし担当者の立場であれば、あらかじめ上司との決め事を作っておくことをおすすめします。
そうすれば、予算のことで余計な迷いを減らす事ができますね。
まとめ
今回は、知らずしらずに時間とお金を奪ってしまう実はとっても恐ろしいパーキンソンの法則に対抗する方法をご紹介しました。
対策のポイント
- 時間を予算(枠)を小分けにする
- なにが成果に寄与するか考える
- 期限の前半のうちに成果を出す工夫をする
個人の生活でもパーキンソンの法則は発動します。
上記の対策のポイントを踏まえて、上手に対策して時間とお金を守りましょう。